辻野たき『この電車は海から遠ざかっている』

辻野たき『この電車は海から遠ざかっている』読了。

面白かった。正しさが無いが、露悪でもない、でもそれは描かれている、というのがいい。 あと面白かったというより助かったということだけど、疲れている時でもすっと読みに入れるのがいい。読み進めることができる上、色んな連想が広がって、本を閉じてそれを楽しむこともできる。連想が広がって読むのをやめて楽しめる小説はあるけど、そういうのは元気、とまでは言わないまでも疲れていない時じゃないと読めなかったりする。なんだろうこの軽さは。

この前の文学フリマ東京42で買った本で、「50代で、はじめて小説を売る──書けなかった35年と、書いた2年半の変化」というブログ記事を読んで足を運んだ。ブログの他の記事を読むと、面白かったと言われて嬉しい、という記事もあるので、それに当てて義理で言っているようにも思われそうで躊躇われたけど、でも実際に面白い小説だった。