吃音プライド

Misfits Booksレーベルの二冊目。前回の『デザインはみんなのもの』がよかったので、本と何かに関するイベントBook&Something 2026で見掛けてこの本も買いました。

吃音を持っている人へのインタビュー集なのですが、テーマは「吃音プライド」。 吃音を劣った障害ではなく、ニューロダイバーシティの一つとして捉え、プライドを持つべき対象という考え・ムーブメントが吃音プライドという物らしいです。僕はこの本を読むまでその考えの存在すら知りませんでした。

更に素晴らしいのはこの本に掲載されているインタビュイーの誰もが、(きっと本人は吃音プライドを持っているのだけど)誰しも吃音プライドを持つべきだ、とは考えていないことです。プライドを持つべきというと「正しさの押し付け」になってしまう。そうではないが、自分から発想できない選択肢として吃音プライドを知ることはいいことだ、という冷静なスタンスです。

この本はイギリスのコナー フォーランというデザイナーが出している、DysfluentというZINEの二号の抄訳です。

前書き代わりに翻訳者である宮本裕人がコナー フォーランにインタビューした記事も載せていて、他のインタビューに匹敵する充分な長さのインタビューです。しかもインタビュアーとインタビュイーのどちらも吃音を持っていて、これは気の利いたという以上にDysfluentの相似になっている天晴な仕事だなと思いました。

コナー フォーランはデザイナーで、吃音の発話をタイポグラフィーで表現しており、Dysfluentでそのフォントが使われている。本書では原著の写真紹介や章扉などでそれが伺えます。

そして、翻訳版ではデザイナーの井上麻那巳が日本語版に合わせて表紙などのフォントをデザインしている。原著へのリスペクトがすごいですね。 僕も原著が欲しくなってしまった(日本で取り扱っている所を見付けたら是非教えてください)。

気の利いたことが言えればよかったけど散発的に感想を書いて終わりです。 Misfit Booksの次の本もきっと買います。